ステロイドとは

ステロイドに関しては毀誉褒貶が多く、自分の知識を明確にするために、この辺のことをまとめてみようと思っている。 まだ中途だがUPして、少しずつ書き進めたい。自分自身がそうであることから内服薬が中心になる。

1.ステロイドホルモン
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2.ステロイド剤
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3.ステロイド剤の作用
ステロイドはタンパク質に較べると小さな分子であり、細胞内に容易に入ることができる。
細胞内に取り込まれて、
HSP蛋白の結合したステロイドレセプターに結合する。
結合するとHSP蛋白がはずれ、ステロイド・レセプター結合体が活性化する。
ステロイド・レセプター結合体はDNAに結合する。
それがmRNAへの転写を調整し、
負に調整する場合、サイトカインの合成抑制などの免疫抑制の働きがある。

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参考資料:今日の治療薬2008 南江堂、やさしくわかる皮膚免疫学2004.04.20 医薬ジャーナル社

4.ステロイド剤の投与方法
 大きく、服薬の仕方に、朝一回の一回投与法と三回以上に分ける分割投与法があり、 また症状による、大量投与法と少量投与法がある。 更に、副作用を考慮した隔日投与法がある。
4.1 連日投与法
4.1.1 一回投与法
 朝一回、量が多い場合は朝多め、昼少なめに投与する方法である。
正常なヒトの身体において、ステロイドは副腎から、朝多く夜少なく、作りだされる。 この一日の体内リズムに合わせて服用する。
(夜、身体の中のステロイドの少ないことが次の朝のステロイドの産生を促すので、 ステロイドが多いと産生をうながす作用が弱まって来る。 それが続くと副腎のステロイド産生能力自体弱まって来る。即ち副腎の機能が低下してくるのである。)
ステロイドにより不眠になり易い患者にもこの方が適している。
4.1.1.1 大量療法
 プレドニゾロン換算で30mg/day以上を初期に投与し、少しずつ減量し、少量で維持する方法である。
初期、多い場合で60mg、更に多くミニパルスとして100mg、パルスとして1000mg投与される場合がある。
4.1.12 少量療法
 20mg以下を継続投与する方法で、効果が少ない場合はゆっくり増量し、ゆっくり減量して行く投与法である。
4.1.2 分割投与法
 症状が強い場合、24時間効果を維持するために、朝、昼、夕と服用する方法である。 夜間の症状が強い場合、就寝前にも服薬することがある。
4.2 間欠的投与法
 基本的にステロイドの副作用を減少させようとする方法である。
4.2.1 3投4休法
 3日間投与し、4日間休む方法である。古典的(?)方法で症状の抑制が不十分で現在は用いられていない。
4.2.2 隔日投与法
 ステロイド剤の半減期が関係する。プレドニゾロンでは48時間おきに使用すると治療効果を落とさずに副作用が軽減されることが認められている。 また、隔日に投与量を変える方法があり、これは連日と隔日の中間に位置するような投与法である。
4.3 パルス療法
 短期間に大量にステロイド剤を投与する方法で、メチルプレドニゾロン1000mgを1〜2時間かけて点滴する方法である。 これを3日間連続して行い、これを1クールと称する。

私の場合はパルス療法と大量療法である。
投与量減量の段階も間欠投与ではなく。少しずつの減量である。朝昼晩が朝だけになり更に量を減らして行く。

参考資料:ステロイド薬の選び方と使い方-矢野三郎監修、2002.5.10 南江堂/ステロイドを使うといわれたとき-橋本博史編集、1999.11.15 保健同人社

5.ステロイド剤の副作用
  ステロイド剤の副作用の発症は「可能性」としてあるもので必ずしも全員に起こるものではない。 しかし、どのような副作用があるのかを熟知してることは副作用を避けるためにも必要なことである。
「今日の健康2002年3月号/NHK」に副作用について分かりやすい説明が掲載されていたので、それを表1に、 病院、医院必携の「今日の治療薬2008年版/南江堂」に記載されていたステロイド剤の副作用を表2に示した。

表1プレドニゾロンを1ケ月服用した場合、起こる可能性がある副作用
プレドニゾロン
の量
mg/day
副作用
   副作用の起こる理由
60 大腿骨頭壊死 太ももの付け根の部分(大腿骨頭)へ血液が送られにくくなるため、大腿骨頭が壊死する。
30 糖尿病 ステロイド薬は、脂肪を糖に変えたり、肝臓に蓄えられている糖を血液中に放出させるため、血液中の糖(血糖)が増え、その状態が続いて糖尿病になる。
20 感染症にかかりやすい ステロイド薬は、正常な免疫も抑制する作用があるので、ウイルスや細菌に感染しやすくなり、かぜをひいたり、肺炎を起こすことがある。
10 ムーンフェイス にきび ステロイドホルモンは、脂肪の代謝に関係しているため、ステロイド薬を使用することで、顔に脂肪がついて、顔が丸くなったり、にきびができたりする。
5 起こることはほとんどない 体内で通常分泌されているステロイドホルモンの量とほぼ変わらないため、副作用が起こることはほとんどない。

 当然だが表の見方として、約30mgが糖尿病の発症の可能性があるだけではなく、約30mg以上に発症の可能性があるのである。

表2ステロイド剤の副作用(プレドニゾロン以外のステロイド剤も含む)
特に注意すべき副作用(高頻度かつ重症化しやすいもの)
  • 感染症(全身性および局所)の誘発・憎悪
  • 骨粗鬆症・骨折、幼児・小児の発育抑制、骨頭無菌性壊死
  • 動脈硬化病変(心筋梗塞、脳梗塞、動脈瘤、血栓症)
  • 副腎不全、ステロイド離脱症候群
  • 消化管障害(食堂・胃・腸管からの出血、潰瘍、穿孔、閉塞)
  • 糖尿病の誘発・憎悪
  • 精神障害(精神変調・うつ状態・痙攣)
他の注意すべき副作用
  • 生ワクチン*による発症
  • 不活化ワクチンの効果減弱(2010版)
  • 白内障、緑内障、視力障害、失明
  • 中心性漿液性網脈絡膜症、多発性後極部網膜色素上皮症
  • 高血圧、浮腫、うっ血性心不全、不整脈、循環性虚脱
  • 高脂血症→脂質異常症(2010年版)
  • 低カリウム血症
  • 尿路結石、尿中カルシウム排泄増加
  • ミオパシー、腱断裂、ムチランス関節症
  • 膵炎、肝機能障害
高頻度の軽症副作用
  • 異状脂肪沈着(中心性肥満、。満月様顔貌、野牛肩、眼球突出)
  • 痙瘡、多毛、皮膚線状、皮膚萎縮、皮下出血、発汗異常
  • 月経異常(周期異状、無月経、過多・過少月経)
  • 白血球増多
まれな報告例または因果関係不詳の副作用
  • アナフィラキシー様反応、ステロイド過敏症
  • カポジ肉腫
  • 気管支喘息、喘息発作
  • ショック、心破裂、心停止
  • 頭蓋内圧亢進、硬膜外脂肪種

   *麻疹・風疹・流行性耳下腺炎・ポリオ・BCG

 副作用を列記して、服用者を驚かすように思われるが 、副作用を避けるための注意深い生活スタイルの必要性から記載した。禁煙は全く当然のことになる。 また、ステロイド剤が減れば副作用が緩和される期待感も持てるのである。
アンダーラインを引いてある副作用が私が罹ったもので、なお、骨粗鬆症は骨密度が低下して骨粗鬆症に近い状態で、骨粗鬆症に至っていない。
ここに記載されていないものとして、私の場合、不眠、両手足先の痺れ感、日中の身体のだるさがあり、痺れ感は血流の関係から、 だるさは不眠から来ている可能性がある。
両手足先の痺れ感は10年後の今も残っている。痛みはない。
今まで絶対になかった酒席でビールのグラスを倒してしまうということもこれによるものではないのだろうかと思っている。
勿論白内障手術後の複視の影響も考えられる。
10年後の現在の不眠、だるさは老齢化に因るものと考えても良いだろう。
私の白内障はいわゆるステロイド性白内障ではないが、老化により白内障が極めて早く進行したことは確実である。
皮膚萎縮
加齢もあり余り気にしていなかった副作用で、皮膚にしわができ、皮膚が引っ張られその分皮膚が薄くなる。
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紫外線には更に要注意になる。

私自身の副作用ではなく、私が入院していた時、同じ尋常性天疱瘡で入院していたY氏は副作用の高血圧、糖尿病があり、
咳をして肋骨が折れる骨粗鬆症(?)もあったが、天疱瘡の症状が改善し、ステロイドが減少しこれらの副作用から脱した。
また、ネットで知り合っていたA氏は高血圧と糖尿病があったが、同様に改善した。
A氏は私が整形外科に入院中に皮膚科に入院された方である。 なお、両氏とも地方の総合病院に入院治療をしていたが、改善が見られず、私の入院していた病院を紹介され入院した方である。

「今日の治療薬」南江堂を2005年版から2008年版に変更した。内容的には全く変わらないが、*を設け「生ワクチンによる発症」の生ワクチンの実際例が記載された。

参考資料:NHK今日の健康2002年3月号/今日の治療薬(2008年版)南江堂


   
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