長町集真藍工房記録集

「大正時代の長町集真藍工房」      大正時代
工房の古い写真である。大正13年以前と推定される。
吉村工務部の木標があり、格子戸にかかった板の看板には出城親友会事務所と記してある。
この家屋が金沢に移される前、出城村平木(現・白山市平木町)にあり、その出身者の会の事務局をここに置いたのであろうか。
出城は、上杉謙信が上洛の時に当地に陣営を敷いたということに由来。なお、成には出城という小字名が存在する。
写っている人々、男性は左から工房主の父(雄次郎)、叔父(玄次郎)、祖父(仁太郎)、叔父(亥之介)と推定される。
女性の中に工房主の母がいるはずだが不明である。
昔の写真らしく、皆緊張しているのに、バラバラにたっているのは、全体を写した家の記念写真でもあるのだろう。
今の家と較べると、形は全く変わっていない。松の木が大きく成長している。
向って左裏は何かの工場だったのだろうか、「場工」の字と煙突がぼやけて見える。


平木村の系譜
1889年(明治22年)4月1日
成村、北安田村、平木村、竹松村が合併し、石川郡出城村が成立。
1954年(昭和29年)3月31日
出城村、旭村、中奥村、林中村、一木村、御手洗村、宮保村、笠間村、柏野村、石川村と共に 松任町と合併。
2005年(平成17年) 2月1日
松任市、美川町、鶴来町、河内村、吉野谷村、鳥越村、尾口村、白峰村が合併し、白山市となる。
(一部Wikipediaより引用)


「長町集真藍工房所蔵の昭和初期書籍」      昭和初期書籍

工房整理の際、出てきた書籍類である。
他にもあるが、昭和初期を典型的に現しているものの一部を掲載した。
是非はともあれ、このような書籍が出回っていたのは事実である。賀川豊彦の著書にある吉村利雄は工房主の兄である。
特に警防日誌はページ数は少ないが注目すべきであろう。昭和17年2月4日から書かれているが、 同年の4月18日には警戒警報発令が記載されている。
アメリカとの開戦から間もないのにもう北陸の地が空襲を受けていたのかと思っていたら、片岡氏から訓練であるとの指摘があった。
開戦の初期に空襲を想定していたわけで、いずれにしても敗戦の意識がどこかにあったのだろうか。
町名も旧町名で八番町となっている。


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